ロボットに建築工事は務まるか。
ついに実現、多関節ロボットの建築現場投入。
清水建設がロボット5種を自社開発
2017年6月22日付け日本経済新聞が次の見出しの記事を掲載しました。
「建築現場にロボ投入」
「清水建設、7割省人化 自社開発、資材搬送などに」
記事にはKUKA社製の多関節ロボットが天井ボードを施工しているような写真が掲載されています。時代はとうとう、ここまで来たのか。驚きです。
2018年、大阪の高層ビルの現場で、5種類のロボットを投入するとのことです。
5種類のロボットとは、
- 自動溶接ロボット
- 搬送ロボット(2種類)
- 資材の積み替えを担うロボット
- 天井内装材の据え付けロボット
搬送ロボットが資材を据え付けロボットに供給し、据え付けロボットが内装工事をする、ということです。
タブレット端末を使って、それらのロボットに指示を出すシステムも開発したようで、100か所の工事現場で8000台のロボットを管理するらしいです。
しかも、ロボットは自ら学習して作業を効率化していく機能を持つとのこと。
もう、SFです。(建設業にとっては…)
2018年といえば、来年ですよ。半年後には2018年になるんですよ。
2018年に投入すると宣言した以上、遅くとも1年半後には目の前に現れるということです。
どんな建設現場になるんでしょうか。楽しみです。
バブル期のロボット開発
建設業では、前にもロボット開発に取り組んだ時期がありました。
溶接ロボットや、耐火被覆吹付ロボットや、コンクリート押さえロボットや自動資材搬送や。。。
あの頃は、労務費がどんどん上がっていたため、機械化・自動化を考えたほうが、将来のコスト増に対応して、競争力を維持できるだろうという読みがあったわけです。
結果はご存知のとおり、経済成長だと思っていたのはバブルだったわけで、あっという間に景気が悪くなり、労務費も下がったため、機械化・自動化のメリットはなくなったわけです。
また、当時の技術レベルと比べると、いまは、精緻なセンシングや画像認識、高速なデータ処理などが可能になっているので、より使いやすいロボットの実現が可能になってきたのではないかと思います。
大手ゼネコンは、どこも自動化施工や情報化施工についての技術開発を進めていて、競争が熱くなっています。
職人技は代替できるか
そうは言っても、ほんとうに職人技がロボットで代替できるでしょうか。
記事の写真には多関節ロボットアームKUKAを利用している様子が写っています。石膏ボードを軽量鉄骨のバーに取り付けようとしています。
職人がこの作業をやるときは、鉄骨の野縁と隣の石膏ボードに沿うように石膏ボードの位置を決め、ほどよい力加減でビスを打っていきます。
なかなか機械には難しいんじゃないかな。
2018年にはメディアで公開されることを心待ちにすることにします。
清水建設の開発者のみなさま、新たな報告をお待ちしています。