スーパーゼネコンの役員報酬をくらべてみました 2019年3月期決算から

この時期になると、ゼネコン各社が有価証券報告書を公表します。みどころは多々ありますが、今回は役員報酬を覗いてみます。

有価証券報告書

上場企業は事業年度ごとに、会社の状況をまとめて公表する必要があります。嘘をつくと罰を受けますから、有価証券報告書に記載されている内容は、基本的に信用してよいでしょう。

事業年度が終わったら、3か月以内に報告することが、法律で求められます。建設業は、ぎりぎりの6月末に発表するところが多いです。

ところで、スーパーゼネコンとは?

日本を代表する大手建設会社のなかでも、最も企業規模の大きな5社をスーパーゼネコンと呼びます。

今回、有価証券報告書を閲覧するのは、清水建設、鹿島、大成建設、大林組の4社です。

あれ?5社では?と思ったひと。

そうです。竹中工務店が入っていません。

竹中工務店は、株式を上場しておらず、決算期がほかの4社とずれていて、役員報酬についての記載がちょっと違うので、ここでは外しておきたいと思います。日本の建設業のトップ企業の役員報酬をざっと眺めるだけなら、4社でいいでしょう。

さあ、報酬は何億円でしょうか

役員報酬と聞けば、日産のカルロスのように、何十億円も貰っていると思っている人も多いと思います。

ちょっと脇道

そうそう日産と言えば、カルロスのニュースが報道されるたびに、横浜の本社がテレビに映ります。このプロジェクト、建設業界ではちょっと異質な発注がなされました。

設計者が竹中工務店、施工者が清水建設という組み合わせだったんです。

ふつう設計者が大手ゼネコンの場合、それは「設計施工一貫方式」の発注形態であることが多いのです。つまり、竹中工務店が設計施工を担うのが普通。それを、競合企業である清水建設に施工させるのは日産も思い切ったものです。

“コストカッター” カルロスのアイデアかな。

道を逸れました。

とにかく、ゼネコンの役員報酬は、カルロスほど多くはないですよ。2桁ほど小さいです。

では、個別に見ていきましょう。

ゼネコン4社の役員報酬

業界では5社の頭文字を取って、SKOTT(スコット)と呼ぶことがあります。この順番で発表します。

ここに出てくる数字は、社外取締役を除く、社内取締役のみです。これらの企業に就職して、登りつめたときにいただける報酬ということです。

清水建設

取締役 10人

役員報酬総額は、7億7,400万円(定額部分 5億700万円、賞与部分 2億6,700万円)

平均は、7,740万円です。

清水建設には、報酬が1億円を超える人が2人います。

宮本会長 1億1,900万円(定額 7,400万円、賞与 4,500万円)
井上社長 1 億3,300万円(定額 8,200万円、賞与 5,000万円)

鹿島

取締役 11人

役員報酬総額は、7億2,000万円(定額部分 5億1,300万円、賞与部分 2億600万円)

平均は、6,545万円です。

鹿島には、報酬が1億円を超える役員はいません。

大林組

取締役 12人

役員報酬総額は、4億500万円(定額部分 3億5,900万円、賞与部分 4,600万円)

平均は驚きの、3,375万円です。

報酬が1億円を超える役員はいません。

大成建設

取締役 8人

役員報酬総額は、7億800万円(定額部分 3億9,500万円、賞与部分 3億1,300万円)

平均は、8,850万円です。

大成建設には、報酬が1億円を超える人が2人います。

山内会長、村田社長ともに、1億2,200万円(定額 7,000万円、賞与 5,200万円)

まとめ

会社役員数報酬総額内訳(定額+賞与)平均額昨年度比
清水建設107億7,400万円5億700万+2億6,700万7,740万円56%UP!
鹿島117億2,000万円5億1,300万+2億600万6,540万円 9%UP
大林組124億500万円3億5,900万+4,600万3,375万円33%
DOWN!
大成建設87億800万円3億9,500万+3億1,300万8,850万円 8%UP

これまでの報酬額を知りたい方は、こちらもどうぞ。

2018年3月期有価証券報告書に記載された役員報酬
2017年3月期有価証券報告書に記載された役員報酬

年を追って、比較してみると、

あ、あの事件の影響かな

とか想像できて、また面白いものです。

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