あなたに、このパズルが解けるか?
小学生でも分かる問題なのに、数学者たちが正解を求めて大真面目に議論を交わした、数学パズル。
モンティ・ホール問題
アメリカのクイズ番組の司会者にちなんだ名前なんですが、番組の説明が面倒なので、カードで出題します。
3枚のカードが裏返しに置いてあります。そのうち1枚が当たりのカードです。
あなたは1枚を選んで返し、当たりのカードだったら、1億円もらえるとしましょう。
あなたには、どれが正解かは分からないので、まず、当てずっぽうで1枚を選んでもらいます。
まだカードは裏返しのままで。ここで、ヒントをあげますから。
私は、どれが当たりのカードかを知っています。そして、残りの2枚のカードのうち、ハズレのカードを返します。
(もし、最初に当たりを選んでいる場合、残りの2枚はいずれもハズレですが、どちらか1枚を返して、ハズレを見せることにします)
すると、あなたが選んだカードか、残ったカードか、いずれかが当たりのカードということになります。
ここで、私から提案します。
もう一度、チャンスをあげます。選びなおしてもいいですよ。
あなたは、最初に選んだカードをそのまま選びますか?
それとも、残ったカードに変えますか?
その理由は?
2枚のうちの1枚だから、変えても変えなくても同じでしょ?
こんなにシンプルな問題にもかかわらず、数学者たちが大きな議論を交わしました。意見はおおきく2つありました。
意見1「あらためて選びなおす時点で、2枚のうちの1枚が当たりなんだから、選びなおしても、選びなおさなくても、確率は1/2で、同じ。」
意見2「残ったカードに変えたら、当たる確率は2倍に上昇するので、断然選びなおすべき。」
あなたは、どっち派?
数学者らが議論をしている間に、小学校の先生が、実際にカードを使って子供たちを相手にゲームをしてみました。
先生は当たりを知っていて、選ばれなかったカードのうち、ハズレの1枚を返し、子供は選択を変えないグループと、必ず選択を変えるグループとで、当たりを引く回数を数え上げたわけです。
そこで得られた答えは、選択を変えると、当たる確率が2倍に上昇するということ。
おお!
確率は1/2で同じだと言った数学者、失業していないといいですね。
なんでそうなるのっ?
高校の数学「確率・統計」を勉強したひとなら、場合分けして、数え上げれば、答えは出ます。
そうなんです。答えは簡単に出ます。
選択を変えなければ、当たりの確率は1/3。
選択を変えれば、当たりの確率は2/3。
それでも、頭のどこかに、
「選びなおすんだから、2枚に1枚じゃん。1/2 対 1/2が、いつ、1/3 対 2/3になるんだ?魔法?」
というモヤモヤは残ります。
この驚くべき説明を書きたいのですが、この余白は狭すぎます。
興味があるひとは、本を読んでくださいね。
ジェイソン・ローゼンハウス著『モンティ・ホール問題』