建設現場の三密 清水建設の新型コロナ感染の影響

建設現場は青空の下で働くから三密とは無関係!とはいかないよ

職人さんの場合

大手ゼネコンの一角、清水建設で新型コロナウイルスに感染した現場監督が死亡するというニュースが報道されました。ちょっと建設現場の仕事環境を考えてみます。

建設現場は職人は屋外で働いているから、飛沫感染には程遠い、なんてことはありません。

建設現場では、朝礼、午前の一服、昼休み、職長打ち合わせ、午後の一服と、職人さんたちが集まる機会は多いです。

朝礼は、屋外でやる現場が多いと思いますし、喋るのは監督さんが主ですから、直接飛沫を受けることは多くありません。朝礼後に同じ業者の職人さんが集まってKY(危険予知)ミーティングを行いますが、さほど飛沫感染の機会は多くないのではないかと思います。それでも向かい合って掛け声をかけあいますから気をつけるべきでしょう。

午前と午後には休憩をします。気候のいい季節なら屋外で過ごす人もいるでしょうが、だいたいは詰所(つめしょ、職人さんの居場所)に戻って、ジュースを飲んだり、タバコを吸ったり、雑誌を回し読みしたりするでしょう。(最近、喫煙所は分けてあります)

昼休みは詰所で弁当を食べることになりますね。小一時間、ほかの職人さんと一緒に過ごすことになります。

昼休みと休憩時間は、同じ時間帯に多くの職人さんが詰所に戻ってきて雑談をするので、三密ができてしまいます。

午後は、職長さん(職人さんのリーダー)が集まって、現場監督と打ち合わせをします。会議室に集まって、翌日の作業予定や手配を伝え合うので、ほかの会社の職長さんたちとも話をする時間になります。現場監督さんも、職人さんも含めて、三密ができやすいです。

仕事が終わると、職人さんたちは帰宅しますが、都内ですと電車を使うか、一台の車に同乗して帰ります。

建設現場では結構、職人が集まる機会は多いのです。

現場監督さんの場合

現場監督はだいたい事務所の中で仕事をします。

書類を作ったり、業者から出てきた図面をチェックしたり、見積書を確認したり、業者を呼んで打ち合わせをしたり、本社から技術部の人が支援に来たり、配達を受け取ったり…

とにかく、現場監督の仕事は打ち合わせでできています。

「ものづくり」?まあ、建設業は「ものづくり」と言ってはいますが、現場監督はどちらかというと、図面と数字を眺めて計画を立てるマネージャです。

こちらもどうぞ (建設業は製造業なのか?ゼネコンはサービス業ってことで)

現場事務所はどのみちなくなる仮設ですから、あまり費用をかけたくありませんし、現場にはあまり余裕があるわけでもありませんから、結果的にゆったりな現場事務所は多くありません。

結果、三密になることは多いです。

大規模現場の現場監督

今回、新型肺炎で亡くなった現場監督は50代とのことです。

清水建設で50代の現場監督といえば、工事長・事務長から現場所長あたりの、かなり重い責任を担う立場にあるはずです。

しかも、一部のSNSで言われているように(未確認)、この現場が都心の大規模再開発現場だとすれば、自分の現場のことだけでなく、発注者や近隣の代表者、他の工区のゼネコンの責任者らとの調整業務も多かったはずです。

現場監督の3人が感染していたとのことですが、もちろん、彼らが悪いわけではありません。安全にうるさい清水建設のことですから、注意深く対策をしていた上で感染してしまったのだと思います。

建設業界の習慣は変わるか

感染がわかって清水建設は、緊急事態宣言の出ている7都府県にある500の作業所を、緊急事態宣言期間中(いまのところ、5月6日まで)、止めると言っています。従業員2000人が在宅勤務だそうです。

さらに、この事態をうけて、清水建設はもとより、ここに接した協力業者や近隣の現場にも影響がおよぶかもしれません。

とはいえ、日本の建設業界、律儀で工期は絶対。発注者の開業を遅らせるわけにはいきません。いつまでも現場を止めておくわけにはいかないでしょう。

元請けと協力会社との間は取極めで仕事が発注されますが、職人さんたちは働いた分だけもらう形が多いので、一人ひとりの職人さんにとって、多くの建設現場が閉所されるのはかなり大変な事態です。

日本のゼネコンは、想定外の調達遅れや事故などがあっても、ふつうなら無理やり工期を間に合わせます。赤字になっても間に合わせます。今回も、どのように対処するか、今夜も清水建設では対策会議をしていると思います。

それとも、今回だけは、異例の事態なので、竣工を延期させてもらえるでしょうか。新型肺炎に限らず、感染症リスクは将来にわたって存在するわけです。もしかすると、建設業界の習慣を変えるきっかけになるかもしれません。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする