技術開発を推進するのはゼネコンばかりでない。
戸建て住宅メーカーの技術開発にも面白いものがいっぱい。
工場生産の戸建て住宅メーカー
日経産業新聞の「建設業の生産性向上」特集の第4回には、戸建て住宅メーカーの取り組みが紹介されていました。
新しい生産設備については、
- 積水ハウス 工場での作業工程を増やし、工場では受注生産するロボットを導入
- 積水化学工業 住宅資材工場の設備を一新、多関節ロボットなどを導入
人材育成については、
- 積水ハウス 「教育訓練センター・訓練校」を運営し、多能工を育成
- 住友林業 訓練校を設置し、卒業後は同社の支店に配属
私は以前、積水化学工業の埼玉県にある工場を見学したことがありますが、この工場で生産していた「セキスイハイム」のユニットは部屋をまるごと工場のラインで製作し、現場では箱を組み合わせるというものでした。
ユニット住宅というアイデアは、まあ、考え付くのかなと思いますが、それを実現するためには、部品のライブラリを用意し、工場で生産するための設計・生産システムが確立されていなければなりません。
工場は、いわゆる製造業の工場のように、人が入れる(住宅の部分だからね)部品がコンベアを流れていきながら、加工がなされる、というタイプのものでした。
私の属するゼネコン業界とは一線を画す生産システムでした。
大和ハウスがおもしろい
住宅メーカーのなかで、私が一番おもしろいと思うのは、大和ハウスです。
なにせ、ロボット事業をやっています。
床下点検ロボット「モーグル」を使えば、悪徳リフォーム業者のようなインチキ診断はありません。見えますから。住人といっしょに床下をリアルタイムに見ることができますから。
ロボットスーツ「HAL」や、アザラシ型ロボット「パロ」なんかも、(何に使うんだか)扱ってますね。
積水ハウスと積水化学工業
ところで、積水ハウスと積水化学工業とセキスイハイムは同じものなのか、違うものなのか。
積水ハウスは会社の名前です。
積水化学工業は会社の名前です。セキスイハイムは積水化学工業のブランドのひとつです。
外国人の建設関連の研究者とかで、日本の住宅生産について興味を持っている人に、
「ハーイ、ニッポンノ、ジュウタクノ、セイサンハ、スバラシイネ。セキスイニツイテ、オシエテクダサーイ」
とか言われたことがありますが、どっちのセキスイだったのでしょうか。