力触覚グローブを使った遠隔操作で生産施設の改革を

地球の裏側から食品工場に出勤できる時代がくるかも

力触覚グローブで遠隔操作

大成建設と、筋電義手を開発するイクシーが、力触覚グローブを使った遠隔操作技術を開発中であるという記事を読みました。

大成建設は、次々とガジェットを打ち出してきますね。

以下、2017年7月20日の建設通信新聞を参考にしています。

全天球カメラ(写真にはリコーThetaが写っています)から送られた映像を、ヘッドマウントディスプレイで見ながら、グローブを使って、インターネット越しに、ロボットアームを操作するというものらしいです。

記事には、「対象物の硬さや柔らかさなどを感じながら操作できるため、(中略)力加減を伴う遠隔作業が可能になるほか、時間や場所を問わず作業でき…」とあります。

それは、どんな作業なの?

記事では、食品工場を例にしています。いくつかの利点があるようですが、私が注目したのは、「海外作業員を利用した時差による24時間稼働」の実現が期待されるというところ。

地球の裏側から、ふわふわのパンの種をこねたり、桃の硬さを確認したりできるようになるのでしょうか。硬さが重要だとしたら、うどんとか蕎麦とかをこねるのでしょうか。ラインの横に耳たぶ模型を置いておけば、ときどきそれをつまんで、安定的に、ほどよい硬さに仕上げることもできるでしょう。

食品工場のラインに設置されたロボットアームが、地球のどこかにいる職人によって、うどんや耳たぶをモミモミしている様子を想像すると、なんとも奇妙な気持ちになります。

建築・土木現場への応用

記事の最後には、建築・土木現場への応用も検討するとしていますが、はてさて、うまい応用が思いつきません。

そもそもロボットアームは動けないでしょ。

建設現場は、究極的には加工対象物が地球に固定されていて、作業者が移動して加工していく局面が多いのです。ロボットアームを建設現場で使うなら、ロボットレッグも必要になるでしょう。移動できるロボットアームが建設現場に現れるのは、もう少し先でしょうね。

安全に寄与できるかも

触覚を得られるグローブと聞いて、いかがわしいことを連想した男子は少なくないでしょう。

わかります、わかります。言わなくても、わかります。

でもね、時速60キロで走っている車の窓から手を出すのは危ないから、せめて力触覚グローブにしましょうね。