スーパーゼネコンの役員報酬を比べてみました 2018年版

忙しさにかまけて、データを更新していませんでした。いまさらながら、スーパーゼネコンの役員報酬をチェックしました。

※追記 (2019.6.28) 最新の情報は、こちら「スーパーゼネコンの役員報酬をくらべてみました 2019年3月期決算から」をどうぞ。

スーパーゼネコンの役員報酬(2018年3月期版)

すでに、2019年3月期の決算は締められていますから、2か月ちょっとで直近のデータが出てきますが、追い抜かれてしまわぬうちに、更新しておきます。

2017年3月期の有価証券報告書で公表されている、スーパーゼネコン4社の役員報酬は、こちら(「スーパーゼネコンの役員報酬を比べてみました」)を参照してください。

さて、早速見ていきましょう。

今回は、社外取締役と監査役を除いて、社内取締役で比較します。スーパーゼネコンに就職して、登りつめることができたら、このくらいになりますよ、という数字です。念のため。

2018年3月期 有価証券報告書より抜粋

会社 役員数 報酬総額 内訳(月例+賞与)   平均額
清水建設 11 5億4500万 5億4500万+0 4,954万
鹿島 12 7億1800万 5億1300万+2億500万 5,983万
大林組 10 5億900万 5億900万+0 5,090万
大成建設 8 6億5400万 6億5400万+0 8,175万

結構、会社によって差がありますね。では、1年前と比べてみましょう。

会社 2017年3月期 2018年3月期(今回) 増減 割合
報酬総額 役員数 平均額 報酬総額 役員数 平均額
清水建設 7億5900万 11 6,900万 5億4500万 11 4,954万 -1,946万 -28%
鹿島 7億2300万 11 6,570万 7億1800万 12 5,983万 -587万 -9%
大林組 5億4600万 10 5,460万 5億900万 10 5,090万 -370万 -7%
大成建設 5億5600万 8 6,950万 6億5400万 8 8,175万 +1,225万 +18%

どうですか?
意外でしょ?

たしかに建設業界は仕事を選ばなきゃいけないほど忙しく、利益もジャンジャン出ていると思いますが、清水建設の28%減大成建設の18%増とでは、天と地ほどの差があります。

スーパーゼネコンは、毎月の役員会議で互いの業績を報告しているわけですが、その数字と給料は比例しているのかな。

ところで、1億円を超える報酬をもらっている経営者はいるの?

有価証券報告書では、報酬1億円を超えるものについては公表することになっています。
この大手4社のなかで、1億円を超える報酬をもらっているのは、2人だけ。

大成建設の会長と社長です。その額は、

山内会長が1億1300万円
村田社長が1億1100万円

う~ん、やや控えめですね。それでも、昨年比で1割ほど上がっています。

1年前は、清水建設の宮本会長、井上社長がそれぞれ、1億2500万円、1億4000万円でした。(鹿島、大林組には1億円超えの役員はいませんでした。)

日産の前会長が報酬を小さく見せ始めたのは、1億円を超える報酬を公表させる規制がきっかけだとか報道されていましたけど、建設業界ではトップの役員報酬がギリギリ1億円くらいなので、場合によっては、あえて、9,999万円にしておくなんてこともあるかもね。

竹中工務店はスーパーじゃないの?

竹中工務店はもちろんスーパーゼネコンの一角です。ただし、上場していなくて、決算期が他と違っていて、土木がなくて、決算が比較しにくいので、ここでは含めていません。

竹中工務店は同族経営ですから、配当の割合がきわめて大きいでしょうね。もっとも、ここのところ、社長は竹中一族から出していません。いまは、力をためている時期でしょう。

スーパーゼネコンで社長を目指すなら、一流大学の建築学科を出て、施工管理で就職し、事故を起こさず、利益を上げ続け、10年ごとの交代のタイミングにいいポジションにいること。

でも、あの忙しさとか責任の重さを考えたら、たった1億の報酬で社長をやろうとは思いませんけどね。だから、取締役会のみなさま、私を社長に推薦しないでください。