同じ型枠工事といっても、柱、梁、壁の型枠と、床型枠とでは、工法が違う。はたして、同じ単価でいいのか。
せっかくBIMを使って積算するなら拾い分けよう。
柱、梁、壁の型枠
柱、梁、壁の型枠は、ごく簡単に言えば、コンクリートが水平方向に流れるのを堰き止めるのが主な目的です。
もちろん、大梁、小梁には底板がありますが、ガワが大事ですね。柱と壁に至っては、基本的にガワしかありません。
生コンクリートは流動体ですから、高さが側圧に直接影響します。
現場でときどき、型枠がはらんでしまって、脱型したあと、壁や柱の下の部分が膨らんでいることに気づくことがあります。内心、「建築史で習ったエンタシスみたいだな」と思うことがありますが、不具合です。あまりにはらみ方が大きいと、GL工法の石膏ボードの貼りしろがなくなってしまったり、LGS下地が立たなかったりするので、壁を斫る事態にもなりかねません。
あとの責任がとれないときは、はらませてはいけません。。。
床の型枠
これに対して、床型枠は、コン止めという加工はしますが、基本的には下からコンクリートを支えるだけの構造で設置されます。
いわゆる在来工法の床型枠は、力の流れを上から下へと見ていくと、
生コン
↓
水平なベニヤ板
↓
たくさんの水平な単管と桟木
↓
端太角(単管を載せている木の棒)
↓
サポート(上端の水平を作るスチールの仮設の柱)
↓
下のスラブ
たいして固定もしないので、敷き終わったベニヤ板は湿気の程度によっては反り返って、波のように暴れているのですが、この上に鉄筋を配筋すれば、その重量で自然にフラットになります。
たいした加工がないので、型枠大工にとっては、歩掛りが伸びるオイシイところです。
これだけ、工法が違うんだったら、数量積算も分けたほうがいいかもしれませんね。