ゼネコンの役員報酬-スーパーゼネコン清水建設は不祥事でボーナス減か

3月は多くの企業で決算が行われます。

建設業界でも多くが3月決算です。大手5社、すなわちスーパーゼネコンでは、竹中工務店だけが12月決算ですが、ほかの4社は3月決算です。

ふと、この好景気のなか、役員は史上最高の報酬をもらっているのではないかと思い、ちょっと調べてみました。

まずは清水建設から。

過去2年分の有価証券報告書(平成29年3月期と平成30年3月期)を比べてみます。

取締役の役員報酬

有価証券報告書の「取締役及び監査役の報酬等」の表から「取締役(社外取締役を除く)」の部分を転記します。

平成29年3月期(平成28年4月~平成29年3月)では、

報酬等の総額 759(百万円) (基本報酬 493(百万円)、賞与 266(百万円))

対象となる役員の員数 11(人)

です。

つまり、平均すると一人あたり、6,900万円となります。そのうち、基本報酬が 4,481万円、賞与が 2,418万円というわけです。

1億円を超える報酬を受けていたのは、宮本会長(1億2,500万円)、井上社長(1億4,000万円)の2名でした。

宮本会長の報酬の内訳は、基本報酬が 8,100万円、賞与が 4,400万円です。

井上社長の報酬の内訳は、基本報酬が 9,100万円、賞与が 4,900万円です。

概ね、基本報酬の54%の賞与を得ていたということになります。

スーパーゼネコンの社長、会長ですから、1億もらってても別に不思議ではありません。そのくらいもらっていないと、役員や社長になってやろうという意気込みのある社員が育ちません。それでも、日産のカルロスに比べると、ずいぶんと見劣りしますが。

ボーナスカット

それでは、直近の平成30年3月期(平成29年4月~平成30年3月)ではどうでしょうか、見てみましょう。

報酬等の総額 545(百万円) (基本報酬 545(百万円)、賞与なし)

対象となる役員の員数 11(人)

です。平均すると一人あたり、4,954万円となります。

1億円を超える報酬を受けていたのは、あれれ、いませんでした。

2017年(平成29年)12月に偽計業務妨害容疑で、大林組、清水建設、鹿島、大成建設が家宅捜索を受け、その後、大林組と清水建設が不正な受注調整をしていたと認めましたね。

清水建設は同じ年の夏に、福島の除染事業で社員による巨額の不正事案が露見するなど、不祥事が続きましたから、さすがに「いま役員賞与はまずかろう」ということになったのでしょう。(想像です)

それでも基本報酬は1割増額されていますから、業績がいいのは間違いないでしょうね。

ちなみに、このサイトでも工事の単価について考えました。(建設業の架空請求

さて、これらの数字から、ほぼ正確に井上社長の報酬が分かります。

1億円未満であることは、有価証券報告書の記載から明らか。1年前の基本報酬 9,100万円の1割増額程度だから、ちょうど1億円程度。結果的に、9,990万円と予想します。というか、社長の報酬を記載しなくていい9,990万円に抑えるために、ほかの役員報酬も1割増に抑えられたとか。。。

ほかのゼネコンについても、後日調べて報告します。