スクープ!大林組の高層ビル解体工法「キューブカット工法」は、以前違う名前で発表されていた!
高層ビルの解体工法をゼネコン各社が提案
ここ数年、ゼネコン各社が高層ビルの解体工法を提案しているのをご存知でしょうか。
ざっと名前だけ挙げてみると
- 大成建設の「テコレップシステム」「テコレップ-light」
- 大林組の「キューブカット工法」
- 鹿島の「カットアンドダウン工法」
- 竹中工務店の「竹中ハットダウン工法」
- 清水建設の「シミズ・リバース・コンストラクション」
下の3つは最近あまり聞きませんが、大成建設の「テコレップ-light」と、大林組の「キューブカット工法」は、先月、日刊工業新聞が紹介していたところをみると、最近でも活用されているようです。
新聞の記事を読みたい方は、2017年8月18日および23日付の日刊工業新聞をどうぞ。
残念な工法名
新しい工法や機械が開発されると、キャッチーな名前をつけて発表されるわけですが、ときとして残念な名前をつけられた可哀想なものがあります。
社内の開発者たちの内輪のミーティングのなかで、ノリでつけてしまったもの、英語でカッコよくと昭和感覚で名付けたもの、他業界のトレンドに倣ったものなどを見つけると、「あーぁ」と思ってしまいます。
どれが、とは言いませんが。。。
言葉を操るプロを入れて、あるいは営業とか一般の人とか、技術者以外の意見を聞くなどして考えると、あとで恥ずかしい思いをしなくてすむのですが。
大林組のキューブカット工法の過去
さて、あとで恥ずかしくなって、こっそり名前を変えたのが、大林組の解体工法「キューブカット工法」です。
私の認識が間違っているかもしれませんが、多分、多分ですよ、同僚、得意先、ついには家族にまで、「なに?やっちまった?」と言われ、シレっと名前を変えて新聞発表しているのだと考えています。
繰り返します。あくまでも、私の想像ですよ。
「キューブカット工法のどこが、やっちまったの?」
実は、この解体工法はかつて「QBカットオフ工法」として発表されていました。
ね?どう考えても、あの1000円カットを連想するでしょ。(正確には、1080円だけど)
どうして、あえてこの名前をつけたのか分かりませんが、散髪するように、てっぺんの躯体をカットして下ろしていくのが、散髪を連想させたのでしょうか。
「QBカットオフ」が、Quakeproof、Quiet、Quick+Blockだとしても、普通ならこの表記は避けますよね。
開発者が集まって、会議室で談笑しながら、勢いでつけてしまった様子が目に浮かびます。
ひとときの高揚感が去り、ときおり同僚から投げかけられる質問に答えるたびに、若さゆえの間違いを悔やむことになったのでしょう。
そして、広報部に相談するのです。QBハウスカットを消したい。。。と。
かくして、開発から数年たったいまは、「キューブカット工法」に衣替えして発表されています。
現在までに16件の案件適用がある(上述の日刊工業新聞記事)とのこと。さすが、実用化のうまい大林組です。開発から現場への展開の流れがしっかりしています。
あぁ、しかし、工法名でひよったのは残念。QBカットを貫いてほしかったな。