工程計画のための施工数量の求め方 型枠面積(2) 工法が異なる床型枠

同じ型枠工事といっても、柱、梁、壁の型枠と、床型枠とでは、工法が違う。はたして、同じ単価でいいのか。
せっかくBIMを使って積算するなら拾い分けよう。

柱、梁、壁の型枠

柱、梁、壁の型枠は、ごく簡単に言えば、コンクリートが水平方向に流れるのを堰き止めるのが主な目的です。

もちろん、大梁、小梁には底板がありますが、ガワが大事ですね。柱と壁に至っては、基本的にガワしかありません。

生コンクリートは流動体ですから、高さが側圧に直接影響します。

現場でときどき、型枠がはらんでしまって、脱型したあと、壁や柱の下の部分が膨らんでいることに気づくことがあります。内心、「建築史で習ったエンタシスみたいだな」と思うことがありますが、不具合です。あまりにはらみ方が大きいと、GL工法の石膏ボードの貼りしろがなくなってしまったり、LGS下地が立たなかったりするので、壁を斫る事態にもなりかねません。

あとの責任がとれないときは、はらませてはいけません。。。

床の型枠

これに対して、床型枠は、コン止めという加工はしますが、基本的には下からコンクリートを支えるだけの構造で設置されます。

いわゆる在来工法の床型枠は、力の流れを上から下へと見ていくと、


生コン

水平なベニヤ板

たくさんの水平な単管と桟木

端太角(単管を載せている木の棒)

サポート(上端の水平を作るスチールの仮設の柱)

下のスラブ
つまり、基本的には鉛直方向だけの支持でできています。広い面を作るときは、あまり加工もなく、単管の上にベニヤを敷き始めたら、あれよあれよという間にベニヤの広場ができていきます。

たいして固定もしないので、敷き終わったベニヤ板は湿気の程度によっては反り返って、波のように暴れているのですが、この上に鉄筋を配筋すれば、その重量で自然にフラットになります。

たいした加工がないので、型枠大工にとっては、歩掛りが伸びるオイシイところです。

これだけ、工法が違うんだったら、数量積算も分けたほうがいいかもしれませんね。

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