建設業は製造業なのか? ゼネコンはサービス業ってことで

「なぞなぞ。大阪城は誰が建てたか?」

「豊臣秀吉だろ」

「ぶー。大工さん」

秀吉以降、四世紀にわたって繰り返された問答である。
知らない日本人はいないであろう。

施工体制

プロジェクトマネジメント的に言えば、発注者が豊臣秀吉で、請負者(施工者)が大工さんということになるので

発注者は豊臣秀吉だろ」

と答えるのが正解でしょう。

(友達は少なくなるけどね。。。)

日本の建設プロジェクトの(施工段階の)組織図を10秒で描くとすれば、こんな感じになります。

(10秒だから、こんなものでしょう)

施工体制

発注者、ゼネコン、専門工事業者

「発」が発注者、「ゼ」がゼネコン(請負業者、元請け)、「専」が専門工事業者(下請け、いわゆるサブコン)です。
(ゼネコン、サブコンについてはこちら

読み方は、「うけおい(請負)」、「もとうけ(元請け)」、「したうけ(下請け)」

専門工事業者というのは、特定の仕事を担当しています。地業工事とか、鉄筋工事とか、型枠工事とか、コンクリート工事とか、鉄骨工事とか、内装工事とか、建具工事とか、電気工事とか、空調工事とか、サイン工事とか。

専門工事業者というのは、その多くが、さらに仕事を下請けに出すのです。業種によっては、これが数段階続くので、場合によっては、末端はもはや「ひとりの人間」ってこともあります。

(もちろん、職人兼社長の「ひとり親方」の場合でも、個人事業主か法人として活動していると思うけどね)

なので、まじめに末端まで施工組織図を描こうとすると、ひと仕事です。

ゼネコンには職人がいない

というように、建物をつくる職人は、専門工事業者(または、その下部組織)にいるのであって、一般の方々に誤解されていることがあるのだけれど、ゼネコンには職人がいないのです!

ゼネコンにいるのは現場監督です。建設現場では作業着を着ているので、作業員と区別できないかもしれませんが、力仕事はしません。

(職人の見分け方については、そのうち書きましょう)

ゼネコンは施工計画と、資材や職人の手配と、現場管理を行うのです。そう、ゼネコンの仕事は頭脳労働なのです。

プランニングして、調達して、マネジメントする。。。それって、サービス業じゃん!

問答ふたたび

「なぞなぞ。東京スカイツリーは誰が建てたか?」

もう分かりますね。

「発注者は東武タワースカイツリーで、元請けとして大林組が施工計画と施工管理を行い、何十何百という専門工事業者に属する職人の方々が実際の工事を担当した」(データはウィキペディアをチラ見しました)

こう答えることができたら、友達から投げかけられるこの問答の呪縛から逃れることができます。

(友達は少なくなるけどね。。。)

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