あの時も神戸製鋼 神鋼ボルトの高力ボルトが認定の条件と違った事件

超高速お役所仕事!神鋼ボルト製品の追加大臣認定は早かった。

製品データ改竄とか、製造条件のミスとか

最近、アルミ材のデータが改竄されていた事件が発覚しました。マスコミからの情報しかないので、確定的なことは言いませんが、このニュースを聞いて思い出したのが、建設業界を混乱に陥れた、もう一つの神戸製鋼事件です。

覚えていますか。

事件の経緯はこうです。

2014年1月21日、神戸製鋼所の子会社「神鋼ボルト」が、高力ボルトの製造において、大臣認定を取得した方法とは異なる条件で製造して出荷していたと国土交通省に報告。翌22日、公表。

1月30日、神鋼ボルトは、出荷していた高力ボルトの認定を追加申請。

1月31日、国土交通省が認定。

わずか1日で、大臣認定ですよ!お役所もやればできるじゃない。

もう、お役所仕事=たらいまわし、遅い なんて言わせません!

詳しいことを知りたい人は、当時のニュースや、国土交通省の報道発表資料を参考にしてください。

建設業界は胸を撫でおろした

認定と異なる方法で製造した高力ボルトを出荷していたと報道されたとき、建設業界はパニックに陥りました。

工事が止まりました。

工事が止まるどころか、竣工まぎわの建物の高力ボルトを入れなおすなんてことになったら地獄だぞ。いやいや、引き渡してしまった建物はどうするんだ?仕上げ壊すのか?まてよ、梁のフランジのボルトはスラブ壊さなきゃ、切ることもできないぞ。

うわぁぁぁぁぁ….

な状況でした。

そして、事件公表から9日後にスーパーヒーローが現れました。

国土交通省!

1月30日に追加認定申請を受け、性能評価を行った日本建築センターに職員を派遣し、翌日には大臣認定を通し、即日公表した。

神様、仏様、国土交通省様ぁ。

かくして、建設業界は事なきを得たのでした。

なんでも許されるわけじゃない

1年後、東洋ゴムによる免震装置のデータ改竄が発覚しました。

建設業界は、うわぁぁぁぁとなりました。

しかし、このときは国土交通省は毅然とした態度をとりました。データ改竄によって取得した大臣認定を取り消しました。

何が違ったか。

東洋ゴムはうそをついていて認定を取得していたので、アウトですね。

神鋼ボルトは、認定の製造条件と違っていたけど、品質や性能が悪かったわけではなかったから、(異例ではあったけど)追加認定を受けることができた、ということ。

嘘をついていいことはありません。