建設業界の新聞三兄弟 通信と工業と産業と

建設業の業界紙はいくつかあるけど、技術者には建設工業と建設通信がオススメ。

業界紙

「おーい新聞」

もはや死語になっているこの呪文で妄想を。

「おーい新聞」

「どの新聞ですか、ご主人様?」

「そりゃ、このブログだもの。建設業の業界紙だよ。」

「どの新聞ですか、ご主人様?」

以上、妄想でした。

そうです。建設業界紙といっても一つじゃありません。つぎの3紙を読んでいる人が多いんじゃないでしょうか。と言っても、個人で購読する人はほとんどいないでしょう。会社の新聞ラックに置いてあるのを、昼休みに読むくらいでしょう。

  • 建設工業新聞
  • 建設通信新聞
  • 建設産業新聞(2021年3月に廃刊)

間違い探しみたいになっていますが、真ん中の2文字が「工業」「通信」「産業」と、違っているわけです。でも、主要な記事はあまり変わらないんです。

というわけで、今回は、技術情報収集の観点から、業界紙を語ってみたいと思います。

企業は、プレスリリースをするとき、だいたい複数の新聞に対して情報を提供します。すると、興味をもった新聞社から、1、2名の記者がやってきます。広報部や記事に関連する担当者がプレスリリースについて説明し、質問を受けて、記事を書いてもらうわけです。

複数社を一度に同じ場所に集めて記者会見形式にすることも多いです。記者会見といっても、大臣のぶら下がり会見や、不祥事を起こしたタレントの謝罪会見のようなものを想像してはいけません。

普通の会議室で、教室形式に座席を並べて、配布資料をもとに淡々と説明することが多いです。スティーブ・ジョブズのように、シンプルで印象的なイメージ画面の前で、わくわくするようなプレゼンテーションをするわけではありません。

丸ごとではないにしても、プレスリリース文の一部を記事に利用する記者も多いです。裏をとる手段なんてありませんから、企業が言うことを信じるしかありませんもんね。結果、企業の宣伝記事のようなものが多くなりがちなのは事実でしょう。

そんな事情を知っている業界人は、他社の技術開発の記事を見つけても、話半分で読んでいます。

3紙の違いは?

さて、私の職場でも上の3紙を購読しています。

以前は3紙を読み比べていましたが、技術ニュースはだいたい同じ日に同じ記事が出ることがわかり、いまは1紙しか手に取りません。

では、この3紙の違いってなんでしょうか。

日刊 建設工業新聞

10〜12ページ程度で、最初の5ページが業界全体に関するニュースで、6ページ目以降に地方の情報が掲載されています。地方ニュースは、○○市庁舎着工とか、○○再開発を○○建設が受注とか、経済ニュースが多いようです。速報性のない、特集的なソフトな記事もあります。
カラー印刷も使用されていて、1面の新聞紙名を横書きにするなど、あか抜けた感じを出そうとしています。
購読料は、8,500円/月(税抜)です。
http://www.decn.co.jp/

建設通信新聞

10〜12ページ程度で、最初の3ページが業界全体に関するニュースで、4ページ目以降に地方の情報が掲載されています。地方ニュースは、○○市庁舎着工とか、○○再開発を○○建設が受注とか、経済ニュースが多いようです。速報性のない、特集的なソフトな記事もあります。
カラー印刷も使用されていますが、1面は渋めです。
購読料は、8,500円/月(税抜)です。
http://www.kensetsunews.com/

日刊 建設産業新聞

2021年3月に廃刊しました。

ほかの2紙よりも薄く8ページ程度、モノクロームの紙面で、入札情報が中心の構成でした。技術情報は少なく、中小ゼネコンの営業担当者や個人経営の建設業者の社長が読んでそうな雰囲気を出していました。

私は建設通信新聞推し

3紙あるからといって、人気投票をするつもりはありませんが、技術者にとって、私の推しメンは、「建設工業新聞」と「建設通信新聞」です。

ところで、建設通信新聞の大きな特徴がひとつ。

不動産、ゼネコン、設計事務所、設備会社などの大手企業がズラリと主要株主に名を連ねています

だから株主の不祥事を報じないわけではありません。

日刊工業新聞 企業の不祥事は報じません。

記者と企業の広報部長の付き合いは長くなりますし、企業からプレスリリースを貰えなくなったら新聞も困りますから、このあたりは、持ちつ持たれつということで。