大成建設 月80万枚分の図面データ共有

月80万枚の図面データの共有は多いのか

i-Innovation

i-Constructionに倣ってか、大成建設が4月にi-Innovationという言葉を作りました。

へぇ、よく調べてみよっと。「i-innovation」でググると。。。知らない会社I-innovationが出てきた。
大成建設のホームページとか、新聞とかを見ると、「ICTを軸として、生産性向上と技術革新への取り組み」の総称らしいです。

大成建設は、発注先企業の職員が自殺をしたことが大きく報道されるなど、働き方改革は緊急の課題ですね。もっとも、建設業全体にとって働き方改革は待ったなしの取り組みではあるのですが。

月80万枚分の図面データ共有

10月18日付の建設通信新聞に、このような見出しの記事が掲載されています。

大成建設は以前から三菱商事提供の、いや今はMCデータプラス提供の、建設サイトを活用しています。

そのサイトの活用が進んできたようなので、ちょっと見ておきましょう。

新聞記事から数字を取り出します。

  • 全国約700か所のすべての建築工事現場で稼働している。
  • ファイルのダウンロード数は、2017年には年間200万回を突破する見通し。
  • 紙に換算すると毎月80万枚。
  • 6800社超の協力会社を始め、約3万人のプロジェクト関係者と情報共有している。

では、計算です。

年間200万回のダウンロードですから、稼働日300日(25日×12か月)と仮定すると、1日あたりのダウンロードは、6,666回(=200万÷300)。全国に700現場あるので、1日あたり1現場あたりのダウンロードは、9.5回(=6,666÷700)。

う~ん。すべての現場で平均すると、1現場あたり1日あたり10回程度のダウンロードですか。

現場監督とか、協力会社とか、複数の人が使っていることを考えると、多いのか少ないのか。。。

少なくともLINEやTwitterのアクセス回数とはケタが違いますよね。

3万人の関係者がいて、年間200万回のダウンロードですから、一人当たり月5回くらいのダウンロードですか。週に1、2回です。

200万回のダウンロードは月に換算すると16万回程度。紙換算で80万枚ということは、1ダウンロードに平均、5枚程度の書類が入っているということです。

数字のマジック

これからクラウド利用は当たり前になっていくのでしょうけど、平均した数字だけからは、まだまだ感がありますね。

つい、「ン十万枚を共有」とか、「ン万人が共有」とか言われて、ずいぶんたくさんの文書が建設サイトで共有されているんだなと思っちゃいましたが、ひと現場あたり1日10回程度のダウンロードというのは、メールで図面や議事録や記録書類を送る頻度と変わらないってところかな。確かに、メールで送るよりも、サーバーに保存してからメールでは通知だけするのが、重複がなくていいような気がします。

個人的に写真や文書をクラウドに保存している人は多いと思います。その流れで、ほかの建設会社でも、クラウドを使った情報共有は進んでいくのではないでしょうか。