世界の建設市場の中の日本企業のランク ENR誌の上位250社ランキング(2)「国外売上高」編

ENR誌が毎年発表する、世界のトップ250社は眺めるだけで面白い。

ENRって

ENR(イー・エヌ・アール)は、アメリカで発行されている Engineering News Record という雑誌です。
この雑誌の簡単な紹介は前回の記事を参考にしてください。

ENRは、夏になると、「THE TOP 250 INTERNATIONAL CONTRACTORS」という特集記事を掲載します。
今日は、2つのランキングのうち、THE TOP 250 INTERNATIONAL CONTRACTORSを眺めてみます。

THE TOP 250 GLOBAL CONTRACTORSのランキングが、外国でも仕事をしている建設業者の、国内の売り上げを含んだ総売上高でのランキングであるのに対し、THE TOP 250 INTERNATIONAL CONTRACTORSのランキングの方は、国外での売り上げのランキングです。両者は同じデータを使ってて、並べ替えに使う数字が違うだけです。

まあ、だったら、大体おなじようなランキングになるんでしょうね。

さぁて、どれどれ

上位10位以内に、中国が2つしか入っていない!総売上高ランキングでは、上位10位以内のうち7つを占めていた、圧倒的な強さの中国企業たちは、その多くが「外国でも仕事をしているけど、売り上げのほとんどは国内で上げている」ということが分かります。

上位10位までは次のとおりです。

  1. ACS (スペイン)
  2. Hochtief (ドイツ)
  3. 中国交建 (中国)
  4. VINCI (フランス)
  5. Bechtel (アメリカ)
  6. Bouygues (フランス)
  7. Technip (フランス)
  8. Skanska (スウェーデン)
  9. Strabag (オーストリア)
  10. 中国電力建設 (中国)

たしかに、有名な企業が名前を連ねていますね。

最近の建設業界動向をちゃんと把握していなかったので、ACS(ACS Actividades de Construccion y Servicios, S.A.)とはどんな会社なの?という疑問が湧いて、ウィキペディアを見てみました。

え?Hochtiefを関連会社として持っているの?てことは、ランキング2位のHochtiefの売り上げの一部は1位に入っているのかな。なにか分かったら、また書きますね。多分、調べないと思うけど。。。

ではニッポンはどこ?

日本企業はどのあたりにあるでしょうか?

第25位に JGC Corporation が入っています。

「ジェー・ジー・シー?」

日本語で言えば、日揮株式会社です。プラントエンジニアリングと言えば日揮ですね。総売上高では、建設系のゼネコンには及びませんが、売上高の大半を国外で稼いでいるので、このランキングでは日本で一番になりました。

さらに、第26位に、やはりエンジニアリング企業 千代田化工建設 が入っています。

そして、ようやく第30位に大林組が、第39位に東洋エンジニアリングが、第40位に鹿島が続きます。

50位を越えてくると、もうロングテールみたいになってくるので、順位を気にする必要もないでしょう。

自分の会社がTOP 250に入っているかどうか気になるひとは、ENRを開いてみてください。