建設現場に行ってみると、現場監督さんに頭頂部の薄い方が多いような気がします。
気がするだけで、実際は、年配の方々が多いというだけなのかもしれません。
しかし、安全帽を被ってみると、少なからず頭皮と毛髪を虐めている罪悪感は否めません。
なにかいい方法はないのでしょうか。
安全ウェア
建設現場で働く人を守る三種の神器は、上から順に、
- 安全帽
- 安全帯
- 安全靴
「ヘルメット、よし! 安全帯、よし! 足もと、よし!」
作業に入る前に、かならず、指さし確認をするのです。
安全帯は太いベルトに命綱がついているものです。万一、高いところから落下したときに、地上に叩きつけられて命を落とすリスクを小さくしてくれます。とはいえ、体重の衝撃を腰のベルトだけで受けると、痛いです。骨を折るかもしれません。内臓が損傷するかもしれません。でもそのときは、痛みを感じる喜びを嚙みしめましょう。
安全靴はつま先を守るように、鉄板かなにか硬いものが入っています。万一、トラックが通過したはずみで敷鉄板が暴れてつま先に乗ったとしても、指を切断する可能性がずいぶん小さくなります。靴底もしっかりしているので、釘が突き出した型枠を踏んだときには、「履いててよかった」と感じます。
もちろん、これら以外にも、長袖、長ズボン、軍手や皮手袋など、体表を守るものも大切です。
安全帽とは
さて、今回のトピックの安全帽ですが、どんな構造でしょうか。
もちろん布の帽子ではありません。ヘルメットです。英語では hard hat と呼ばれるように、実際は、硬い帽子です。
構造的には、硬質プラスチックの内側に発砲スチロールなどの緩衝材が張り付けてあって、さらに頭の大きさに合わせて調整できるような調整用のプラスチック材が取り付けてあります。
簡易なつくりなので、強い衝撃から頭の骨折を防ぐというよりは、足場など仮設物の下をくぐるときに、必ずぶつける(現場をひと回りする間に100%ぶつけます)頭を保護するとか、上から降ってくる材料や工具や、鍛冶屋の落とす火(赤熱した鉄の粒々)から守るというものです。
いやいや、材料や工具が落ちてくることは、めったにありません。落ちてきたら、きつく叱責して構いません。
安全帽の問題は、頭への固定方法です。
安全帽自体はさほど重くないのですが、それでも頭に乗せる以上、頭頂部は安全帽の部材と面でコンタクトします。
安全帽が左右にずれたり、回転したりすれば、頭頂部の毛髪を右に左に擦りつけることになります。
アフロヘアの方なら、髪がクッションになって、頭皮や毛根を虐めることは少ないのでしょうけれど、日本人は柔らかい直毛の多いですからね。
外気が入らず、汗が留まり、キューティクルを剥がし、毛根を引っ張る。
考えたくないですね。
新しい安全帽の提案
いまの安全帽は面で頭頂部に接していますが、これを心地よいベッドのように、点で支えるしくみにしてはどうでしょう。洗髪用ブラシのように、ブラシの先端で支えるのです。
点で支えることで、頭皮の近くをそよ風が吹き抜け、安全帽がずれても柔らかいブラシがしなやかな柳のように力を受け流し、ほどよいマッサージで癒してくれる。
そんな安全帽なら、事務所に入っても、脱がずに過ごせます。
頭皮環境問題に意識の高い施工関係者のために、このアイデアの権利を放棄します。
いまなら、まだ間に合います。谷沢製作所の方々、製品企画をよろしくお願いします。