建築の部位・部材の稜線や隅は、平行、直角で構成されることが多い。この建築ならではの条件を使って、平面情報から奥行情報を推定することができる。
写真を撮った場所を推定する
これまで、1枚の写真から奥行情報を推定する方法を説明してきました。
第一夜 写真から消失点を推定する
第二夜 視点の位置を推定する
第三夜 部材の奥行を推定する
ここで、おまけ。
上の方法を使えば、目(カメラ)の高さにおける壁の奥行が分かったというわけです。
だったら、それに一致する部分を図面から見つけることができれば、写真を撮った場所が特定できるということです。
壁の形が一致するところ
前回までの説明で、部屋と写角と私の位置関係が分かっています。
ここで、この写真を撮った建物の平面図があったとします。
この中で、写真から推定した、部屋と写角と私の位置関係に一致する場所があったとしたら、その視点の位置こそ、写真を撮った場所です。
ちなみに、この場合、次の場所で写真を撮ったことが特定できます。
実際には、似たような場所はほかにもあるでしょうから、単純に平面図との一致だけで見つけるのは難しいかもしれませんが、理屈の上では、パターンが一致するところを見つければ、少なくとも撮影場所の候補は見るけられるわけです。
ということで、1枚の室内写真から、その写真の撮影場所を特定する方法の紹介でした。
まあ、人間には(時間はかかるかもしれませんが)できることなので、特別すごいわけではありませんが、自動的にできたら面白いでしょ。