13日の金曜日は極めて稀な組み合わせだと思っている人は多い。
わりと普通な13日の金曜日
不吉だとされる「13日の金曜日」は、稀にしかやってこないと思っている人、いませんか?少なくとも毎年1回、多い年では3回もやってくる、普通の日なのです。
まずは、ざっと概算してみましょう。
13日は1年間に12回あります。
金曜日は7日に1回やってきます。
もし、曜日がランダムに並んでいるなら、12回の「13日」を7つの曜日に平均的に分配することで、金曜日の数が推定できます。
12 ÷ 7 ≒ 1.7
つまり、平均すると、毎年1.7回くらい「13日の金曜日」はあるだろうと、推測できます。
13日の金曜日を怖がっている小学生への説明は、これでOK。
「曜日はランダムじゃない」
と、こざかしい小学生につっこまれたら、
「曜日はランダムに並んでいるわけではないけど、12と7は互いに素なので、短周期の循環パターンにならないのだよ」
とケムに巻きましょう。
数学的証明(中学生以上)
まず、1年の日に番号を付けます。あとの説明が分かりやすいように、1月13日を0番とし、14日を1番、15日を2番、…と付けていきます。月をまたいでも、ひたすら連番を付けていきます。
すると、毎月の13日は次のような番号が付けられることになります。前月13日の番号に、前月の日数(28日とか30日とか31日とか)を加えるだけなので、計算は簡単です。
- 番号:日付
- 0: 1月13日
- 31: 2月13日
- 59: 3月13日
- 90: 4月13日
- 120: 5月13日
- 151: 6月13日
- 181: 7月13日
- 212: 8月13日
- 243: 9月13日
- 273: 10月13日
- 304: 11月13日
- 334: 12月13日
つぎに、番号を7で割った余りを求めます。
- 余り:日付
- 0: 1月13日
- 3: 2月13日
- 3: 3月13日
- 6: 4月13日
- 1: 5月13日
- 4: 6月13日
- 6: 7月13日
- 2: 8月13日
- 5: 9月13日
- 0: 10月13日
- 3: 11月13日
- 5: 12月13日
この余りは、番号が7増えるごとに循環するので、曜日を区別する数字として使えるわけです。
たとえば、1月13日が金曜日なら、同じ余りを持つ、10月13日も金曜日だということです。
で、この数字を眺めてみると、0から6までのすべての数字が現れていることがわかります。つまり、すべての曜日が、○月13日のどれかに現れるということです。
これで、13日の金曜日は毎年、少なくとも1回やってくることが証明されました。
あとちょっとだけ
余りの数字を眺めてみると、1つしかないもの(1, 2, 4)から3つあるもの(3)までありますね。
つまり、13日の金曜日は、どんなに多くても1年に3回までしかありません。そして、その当たり年には、2月、3月、11月にやってくるということが分かります。
ちなみに、うるう年では、3月以降の番号を1ずつ増やして、同じことをやってみると、やはり、少なくとも1回、多くても3回(1月、4月、7月)であることが分かるのです。
さて、あさっての10月13日は金曜日。ということは、上の表で余りが同じ0であった、1月13日も金曜日だったはずです。ほら、意外と普通でしょ。