愛(AI)のある建設施工現場

AIといっても、歌手でも卓球選手でもないよ。

人工知能ってなに?

いまや「人工知能」という見出しを含まない新聞を見つけることは不可能となりました。
労働集約的な建設業に人工知能は役立つのでしょうか?

その前に、ほんとのところ、人工知能ってなに?

新聞やテレビで紹介される人工知能にはいろんなものが、ごちゃごちゃに含まれています。
あまりに流行っているから、言わないと遅れている感さえ漂ってくるので、

「300行以上のマクロなら、とりあえず人工知能って言っとけ」

みたいな感じで、いままで普通のプログラムだったものまで人工知能と呼ばれている気がします。

言ったもの勝ち。だって定義がないんだもの
(IT企業の営業マンも、そうおっしゃっていました)

定義がない以上、なんか複雑な処理をしてそうなプログラムを人工知能と呼びましょう。

機械学習?ディープラーニング?ニューラルネットワーク?あぁ、もうイヤ!な人へ

これらの単語を混用している人は、わたしの周りにもたくさんいます。まずは、ビシッと言葉の違いを言い尽くす短文を作りました。

「ディープラーニングとは、人工知能を作るための一つの方法であって、機械学習でニューラルネットワークを作成するものである。」

ん?まだ、分からない?
そうでしょうそうでしょう。
そうじゃないものと比べるからこそ、言葉は理解されるのですから。

では、第一に、

人工知能を実現するには、(1)人が頑張って書くものと、(2)コンピュータ自身が大量のデータを使って学習するものとの、2つの方法があります。

なるほど、「機械学習」は人がプログラムを書かななくてすむ方法なんですね。

次に、

人工知能を実現するには、(1)脳の神経細胞のネットワークを真似して作るニューラルネットワークという方法と、(2)「もし~ならば、~と判断する」のような文をたくさん記述するプロダクションルールという方法と、えーと、まだまだ他にもいろんな方法が多分あります。

なるほど、ニューラルネットワークは人工知能を実現する方法のひとつなんですね。

そこで、さっきの短文の意味が分かりますね。

ディープラーニングは、人工知能を作るための一つの方法であって、神経を模したニューラルネットワーク技術を使っている。しかも、人手で作るのではなくて、大量のデータから機械が自動的にニューラルネットワークを作るんだな。

そうです。

ここ数年、にわかに人工知能が注目され始めたのは、データを大量に集めれば勝手に人工知能を作ってくれる技術「ディープラーニング」が実用レベルに達したからなんです。

ブッタイからはじめよう

ディープラーニングが注目されているのは、大量の画像を集めて機械学習させてできた物体判定AIが、人間の判断力を超えてしまったからです。

ディープラーニングの初学者は、この研究成果をなぞるように、まず画像中の物体認識から始めます。

で?建設業で物体認識をどこで使おう。

私が提案するのは、職人を撮った画像から、職種を判定する。
これをスカウターに仕込んでおけば、新米係員が鳶さんに向かって、「大工さぁぁん」と呼びかけるのを防ぐのに使えます。

どうですか?

だめ?

真面目なところでは、大林組が、工事の進捗をデジカメ写真から判定するという技術を発表しましたね。
写真を何分割かして、その部分ごとに「LGS」とか「石膏ボード」とか「クロス」とかを判定して、作業の進捗の程度を推定しちゃえ、というもの。

詳しくは、大林組の技術研究所報に論文が掲載されています。

このサイトでも、いつか紹介しましょう。

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