“Can you speak Enlish?” – “Yes, a little.”
まったく話せなくても、習った例文どおりに答えてしまう日本人。
まったく話せないなら、英語で答えてはいけません。
留学生のみなさん、日本で建設生産を学ぶなら日本語を理解しましょう。
教養としての外国語
日本の大学で建築や土木を学ぶ留学生のみなさん、外国語で学習を進めるのは大変だと思いますが、ぜひ、資料を読んで、仲間と議論ができるレベル目指しましょう。
日本人が日本語ができるのは当たり前。
むしろ、「てにをは」を間違えると、「この人、教養ないな」とネガティブな評価を受けてしまいます。
その点、留学生のみなさんは、日本語を操ることができれば、一目置かれます。
日本で勉強するくらいなんだから、そんなの当たり前、と思っても、やはり外国語で相手の意見を聞き、自分の意見を主張するのは、けっこう大変なんです。
逆の立場で考えてみると、TOEICで800点を超える日本人がアメリカに行って、アメリカ人相手に議論を吹っ掛けられるかどうか、はなはだ疑問です。
「英語なんて、いざアメリカに留学して、1年も住んでりゃ、ペラペラになるさ。」
と、うそぶくアナタ、ノーノーです。
話すことに慣れはしますし、度胸はつきますし、買い物くらいは平気でできるようになりますが、議論する能力は住んでるだけじゃ身につきません。
外国語を操れる能力が一目置かれるのは、それだけの努力をしてきたことの証だからです。努力なくして、この能力は身につきません。
建築生産に関する英語はチョイムズ
日本の建築生産について英語で説明しようとすると、すぐに問題にぶつかります。
論文や解説文を英語で書く機会はあまりないと思いますが、研究者であれば、建築学会の大会に論文を投稿することくらいはあるでしょう。論文には短い英語の要約文をつけるのが普通なんですが、結構いい加減に書いている人、多いですよ。
ともかく、英語で日本の建築生産について書こうとすると、まずいい単語が見当たらないことに悩みます。つぎの単語に相当する英単語を思いつきますか?
- 建築家
- 設計監理
- 施工管理
- 現場監督
- 係員
- 工事長
- 現場所長
- 現業、工務、事務
- 専門工事業者
- 番頭、棒心、世話役
- 職長
- 職人
- 鳶工、鉄骨鍛冶工、鉄筋工
日本語でもわからない?
また今度、詳しく説明しましょう。
ただ、これらの中には、日本の業界の慣習のもとで存在する職種だったり、役割だったりが含まれていて、うまく対応できる英単語がないものをわざと入れてみました。
日本の高層ビルの建築現場で花形の鳶工も、うまいこと表現できません。アメリカの建設関連の資料では、鉄骨を組み立てる職人をironworkerと表現していますが、日本の鳶工の仕事の範疇とは違いますよね。
誰か、いい辞書とか、解説書とか、書いてくれないかな。